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『Love Letter』という映画をご存知でしょうか。『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』などで有名な岩井俊二監督による作品で、1995年の公開以降、中国や韓国などでも人気を博したラブストーリーです。一通のラブレターから始まる偶然と奇跡の物語は、切なさと青春時代の甘酸っぱさに満ちています。今回は『Love Letter』のあらすじや感想まで詳しくご紹介していきます。なお、あらすじにはネタバレが含まれているのでご注意ください。
公開年 |
1995年 |
---|---|
監督 |
岩井俊二 |
製作会社 |
フジテレビジョン ヘラルド・エース |
受賞 |
第19回アカデミー賞 優秀作品賞 優秀助演男優賞・話題賞(豊川悦司) 新人俳優賞(柏原崇・酒井美紀) 優秀音楽賞(REMEDIOS) 第38回ブルーリボン賞 主演女優賞(中山美穂) 第20回報知映画賞 監督賞(岩井俊二) 最優秀助演男優賞(豊川悦司) 主演女優賞(中山美穂) 第17回ヨコハマ映画祭 作品賞 監督賞(岩井俊二) 主演男優賞(豊川悦司) 主演女優賞(中山美穂) 最優秀新人賞(酒井美紀) ほか |
公開された国 |
日本、カナダ、台湾、香港、アメリカ、中国、シンガポール |
興行収入 |
85.01億円 |
配信している動画サービス (2023年1月2日現在) |
見放題:U-NEXT、FOD 個別課金:Amazonプライムビデオ、Lemino、ビデオマーケット、楽天TV、TELASA |
3年前に雪山の遭難事故で婚約者の藤井樹を亡くした主人公博子は、3回忌の際に見せてもらったアルバムに中学時代彼が住んでいた家の住所を見つけます。咄嗟にそれを腕にメモしたものの、現在そこは国道になっていて何もないとのこと。
しかしその住所に博子は手紙を出します。すると返ってくるはずのない手紙が、しかも送り主に「藤井樹」と書かれて彼女のもとに届いたのです。
藤井樹の友人で、現在博子に想いを寄せている秋葉はその話に懐疑的でしたが、真相を確かめるべく博子と一緒に小樽へと向かいます。その住所には一軒家があったもののタイミング悪く不在。博子は手紙を残してその場を去りました。
入れ違いで家に戻ってきたその人は彼と同姓同名の女性で、さらに2人は中学時代の同級生。名前が同じことでからかわれ、無理やり2人揃って図書委員にさせられたこともあったほどでした。
博子は卒業アルバムを確認し、樹と自分がそっくりだったことにショックを受けます。しかしそれよりも亡き恋人のことを知りたいという気持ちが勝りました。そんな博子の想いを手紙のやり取りを通じて知った樹は、中学時代の藤井樹のことを思い出しながら手紙を書いていきます。
藤井樹が失踪した雪山へやってきた博子と秋葉。秋葉は「博子ちゃんは貰ったで!」と叫び、「言いたい事あるんなら全部言ってやれ」と博子に言葉をかけます。博子は「お元気ですか?私は元気です」と何度も叫び、泣き崩れるのでした。
その後、風邪をこじらせて入院していた樹は回復後に手紙を書き、初めて亡き父について触れます。父を中学時代に亡くした樹は、その当時ショックで新学期になっても学校へ行けていませんでした。そこに藤井樹が訪ねてきて借りた本を返しておいてほしいと頼みます。樹が登校すると既に彼は転校した後で、あれが最後の思い出となったのでした。
その話を読んだ博子は「これはあなたの思い出だから」と書いて手紙を送り返します。さらに、貸出カードの名前があなただったような気がしてならないと書き添えましたが、樹はその意味がよくわかりませんでした。
それから日が経ったある日のこと。図書委員の生徒たちが樹を訪ね、一冊の本を持ってきます。それは藤井樹に返却を託された本でした。その貸出カードには彼が描いたと思われる樹の似顔絵が。
彼女はそのことを博子に書こうかと思いましたが、照れくさくてやっぱり書けないと、心のなかに留めることにしたのでした。
『Love Letter』のロケは小樽を中心に、苫小牧と長野でも行なわれました。ここではその中から数カ所を厳選してご紹介します。
〈小樽〉
藤井樹が働く「小樽市立図書館」
北海道小樽市色内3丁目(旧日本郵船小樽支店)
小樽ガラス工房
北海道小樽市色内2丁目(小樽運河工芸館)
渡辺博子と藤井樹が出会った場所
北海道小樽市色内1丁目(色内交差点)
〈苫小牧〉
小樽市立色内中学校の自転車置き場
北海道苫小牧市清水町2丁目(苫小牧東高等学校)
※現在、改築されています
〈長野〉
ラストシーンの雪原
長野県南佐久郡南牧村大字海ノ口(八ヶ岳牧場)
「お元気ですか?私は元気です」という言葉は、博子が最初に手紙を送った時の文面であり、恋人の樹がかつて失踪した雪山で叫んだ言葉でもあります。前者は樹が亡くなったことを受け入れたくない一心で「実は生きていてくれないかな」という思いのなか書いたものでしたが、後者は彼の死を受け入れた上で、それでもやりきれない気持ち、しかし「ありがとう」「さようなら」といった、ある種決別の思いで発せられたものだったのかもしれません。
『Love Letter』はあらすじ的に悲しい話だと思われますが、意外とコミカルな要素もあります。テンポ感も良く、脇を固めるキャラクターの会話や中学時代の甘酸っぱく可愛らしいエピソードに笑ってしまったという人も。
また少年・藤井樹の純粋な気持ちに心洗われた、彼が樹にした行動がカッコいい、というような声もありました。また世界観の構築がしっかりしており、物語の世界に没入できるのも魅力の一つです。
設定を把握できれば入り込める一方、把握までに苦労したという声も。博子と樹が一人二役なのもあり、人によってはわかりにくいと感じるかもしれません。また、本筋以外の細かな要素に託された意味を読み取れなかったという意見もありました。
また、リアルさを求める人にはやや不向きの可能性も。あくまでもファンタジーだと割り切って視聴すると、見え方が変わってくるかもしれません。
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今回は映画『Love Letter』のあらすじを中心に詳しく解説してきました。亡くなった恋人が住んでいた住所に、同姓同名の人物が住んでいるなんてドキドキしてしまいますよね。顔は似ていても性格は異なる博子と樹、そしてその2人を繋ぐ今は亡き藤井樹という存在。不思議な縁によって導かれたラストは温かくも切ないものでした。
ネタバレ込みの解説でしたが、その後に本編を観ても十分楽しめる作品ですので、興味を持った方はぜひご覧ください。ストリーミング動画をダウンロードする際は、StreamFabを使ってくださいね!
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