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『ハリー・ポッター』を超え
英国史上最高のオープニング記録

ダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンドを演じて間もなく10年。1962年のシリーズ誕生から半世紀以上も続く第24作目『007 スペクター』は、これが4作目となるダニエル・クレイグ版ボンドの集大成となっている。ダニエル＝ボンド1作目の『007 カジノ・ロワイヤル』、続く2作目『007 慰めの報酬』、そして世界中で大ヒットした前作『007 スカイフォール』を経て、今回、過去の苦悩や葛藤を乗り越え、正真正銘”00(ダブルオー)”の称号にふさわしい究極のプロフェッショナルへと成長する。

前作に引き続き、オスカー受賞監督サム・メンデスがメガホンを取り、レイフ・ファインズ、ベン・ウィショーらも再び集結。新たなキャストとして、オスカー俳優のクリストフ・ヴァルツの他、ボンドガールとしてシリーズ最高齢(現51歳)のモニカ・ベルッチと『アデル、ブルーは熱い色』のレア・セドゥーが登場する。

本国イギリスでは、これまで記録を持っていた『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を約34億円も上回る、映画史上歴代最高のオープニング成績を樹立。また全米初登場No.1をはじめ、世界の公開国全てでNo.1オープニングの快挙を成し遂げるなど、最高の記録を映画史に刻んでいる。

男も女も思わず惚れる
文句無しのカッコ良さ

タイトルにもなっている“スペクター”。これはシリーズ初期からボンドの宿敵として登場してきた悪の国際犯罪組織の名であるが、実は第7作を最後に姿を見せなくなっていた。今回、その宿敵スペクターを再登場させ、「ボンドが私的なトラウマを持つ敵」と「シリーズの宿敵」とが重なることにより、ダニエル＝ボンドと『007』シリーズとを総括する形となっている。

『007』最大の魅力は、何と言ってもそのカッコ良さ。最高のものしか使わないボンドの7つ道具は、時計や車やガジェット類、その全てが超一流だ。特に本作で登場するボンドカー「アストンマーティンDB10」は、1964年の『007/ゴールドフィンガー』初登場以来、アストンマーティン社とのコラボ50周年を記念する特別なもの。グッチの元デザイナーで『シングルマン』の監督としても知られるトム・フォードのデザインしたスーツに身を包むダニエル・クレイグのその姿は、男も女も思わず惚れる、文句無しのカッコ良さだ。

今回で見納めとなるかもしれないダニエル＝ボンド、『007』シリーズはここにひとつの頂点を迎えた。